森林療法

内容が前後してしまいますが、14日にはちーむゴエモンの森林療法体験がありました。

森林療法とは、森林を医療や福祉、教育、レクリエーションなどを目的として利用することを広く指し、森を通じて心身の健康を回復、維持、増進させる活動のことだそうです。
http://www.holisticmedicine.jp/clinic/what.htm

今回は、都内のクリニックで看護師をしている佐藤栄児氏が、近隣で森林療法ができる場所を探したいということで、相模湖で使えそうな場所として、相模湖自然公園ふるさとの森を下見することも兼ねて、森林療法を体験しました。


参加者14名で貸切りスワン丸に乗り込み、対岸のふるさとの森へ向います。



簡単なレクチャーを受けた後、一列になって散策路を歩きました。あいにくの空模様でしたが、何とか雨が降らずに待ってくれました。



ツルカノコソウの白く可憐な花がたくさん咲いていました。



これは開いたヤブレガサ。開く前の方がいかにもヤブレガサな感じです。



相模湖を見下ろす管理棟付近で休憩。大切な呼吸法として腹式呼吸のやり方を教わりました。



この後、船着場まで戻って再びスワン丸に乗船し、しばし相模湖を遊覧していただきました。



かつてここには勝瀬村という豊かな集落があり、お米が良く穫れたそうです。今はもう湖底となってしまったその村に、それまでどんな暮らしがあり、どんな想いで生まれ育った愛すべき場所を去って行かれたのか、そんなことが心を過ります。



森を歩いた後は相模湖交流センターへ移動し、昼食をとったあと、佐藤さんに森林療法についてレクチャーしていただきました。


ストレスと自律神経の関係に関する説明の中で興味深かったのが、健康な人の心拍のリズムは不規則で、バランスを崩している人の方が規則的になる場合があるということ。大木が風を受けてしなやかに揺らぐように、心臓も周囲の環境や心境の変化に応じて揺らぎ、安定を保っているのですね。

そして森林の様々な健康の効果を教えていただきました。森林は人間のストレスホルモンを減らし、リラックスさせ、免疫力を高めるのだそうです。これらは針葉樹が放出するフィトンチッドと呼ばれる芳香物質や、五感から得られる様々な刺激によってもたらされる効果のようです。


こうした森林がもたらす健康面への影響を私たちはもっと活用すべきでしょうし、そのことが森林を守り、育てていく意識を高めていくことにもつながってくれると良いなと思います。

経済一辺倒の政策によって切り離されてしまった森と人間とのつながりを、様々な視点の取り組みによってつなぎなおして行くべき時期に来ているということを改めて感じました。