学校林

昨日はゴエモンチーム数名で学校林視察に行ってきました。

津久井の森を健全な形で次の世代に残したいとの熱い思いで林業をされているサトウ草木の佐藤さんに普段整備されている森を案内いただきました。

こちらは最近間伐した樹齢80年のヒノキの森。切り株からはヒノキのよい香りが漂っています。
後で見せていただいた間伐されていない森(下の写真)と比べると林床の明るさの違いは歴然ですね。


工業化へ向う国づくりの中で国から蔑ろにされてきた林業の現状は今も厳しく、まだ国産材で商売ができる状況にはないようですが、幸い神奈川県は水源保全のための森林税の税収が他県よりも多く、佐藤さんの整備されている森はこの補助金で賄われているものが多いそうです。


こうして切り出された材は、ヘリコプターで搬出するのだとか。搬出一回に数百万円だそうで、経営を成り立たせるのがどれだけ大変か、想像に難くありません。



こちらは何やら祭ってあるアカガシ。山の民はこうして森を恐れ、敬ってきたのでしょうね。



その生命力溢れる様子からは、木霊のような存在の気配すら感じられます。


途中、動物たちの痕跡がいくつも見られました。


これはリスの巣が落ちてきたもののようです。



これはシカのフン。ジェリービーンズみたいですね。(^^)



そして、なんとツキノワグマのフンと思しき痕跡まで。種がたくさん含まれています。こうして動物たちも森を豊かにする手助けをしてくれているんですね。



土地の境界線に沿って目印として植えられたモミの巨木が連なっていました。水源涵養だけでなく、地域の学校の子供たちの教育の場としても、森林を活用してほしいとの思いから、佐藤さんはこのモミの木を木登り体験の場としたいとおっしゃっていました。こんな巨木でツリークライミングできたら楽しいだろうな。



こちらは水源。子供たちにとって水源を見ることは、自分の暮らしと森とのつながりを知る良い方法。自分の飲む水がどこから来て、どこへ行くのか。その実際の現場を見ることで、子供たちは自然と自分のつながりを感じられるのでしょうね。


次に向ったのは青根小学校とその学校林。学校林というのは学校が保有する森で、子供たちの教育の場としてだけでなく、そこから切り出させる木材で校舎を整備したり、木材を売って学校の運営資金に当てていたそうです。


青根小学校は、神奈川県唯一の木造校舎だそうで、大きなクスノキが出迎えてくれました。



学校の裏山の学校林にある展望台からは、青根の集落や遠くの峰々が一望できます。



この展望台は、太平洋戦争の当時、西から東京へと襲来する爆撃機の見張り台だったそうで、これはその痕跡とのこと。



こちらが校舎。ゴエモンチームのホープ、かんぱち君が駆け込む姿が素敵です。
校内を教頭先生が案内してくれました。人が来ることが少ないのでうれしいと笑顔で快く出迎えてくださったのが印象的でした。



懐かしい木造の廊下。

青根では今でも地域運動会といって、小学校と中学校、そして地域の運動会を合同で行うそうです。地域の皆が関わってくれるので、学校の先生はそれほど大変ではないのだとか。



音楽教室から見えるいっぱいのサクラの花が、今年新たに仲間になる新入生を待ち望むように咲き誇っていました。


(なかもり)